障害者手帳は「ずるい」ですか?これだけ苦労してるのに…。 | 障害者の就労支援・情報サイト【凸凹ナビ】

障害者手帳は「ずるい」ですか?これだけ苦労してるのに…。

詫磨 一紫詫磨 一紫

作成日 2018/02/28 更新日2018/03/30 6,332views

みなさんは障害者手帳をお持ちでしょうか?

障害者手帳を持っていると、障害者雇用として働くことができるのと、美術館や映画館などで無料や割引などのサービスを受けることができます。

しかし、それを知った友人に、私は「ずるい」と言われてしまいました。そんな風に言われるなんて思ってもみなかったので、私は驚きました。

今回は「障害者手帳はずるいのか?」ということについてお届けしたいと思います。

仕事に行き詰まって診断をうけた

私は仕事のミスが重なり、できないことが多いことで発達障害かもと気づき、33歳のころ発達障害の検査を受けることにしました。

障害者手帳をもらうためには、お医者様からの診断書が必要になります。病院に行って診断して貰えばすぐに障害者手帳の申請ができるわけではなく、初診の日から6ヶ月以上経過していることが条件になります。

私の場合は、最初から障害者手帳をもらうつもりはなく、障害者手帳をもらおうと思ったのは初診から1年以上過ぎた34歳の頃です。

どうすれば会社の役にたてるのか

最初は障害者手帳をもらおうと考えていなかった筆者ですが、ADHD(注意欠陥・多動性障害)の治療を始めても、仕事の失敗が劇的に減ったわけではありませんでした。

勤め先は製造業をしている会社で、私は事務員と作業員を兼任しています。月収は手取りで18万円ほど、これは今も変わっていません。障害者年金は受け取っていません。

入社して10年以上たっていましたが会社には自分が発達障害者であることを説明しました。苦手な仕事は振られなくなり配慮を受けて仕事をしたのですが、圧倒的に仕事量が減ったのです。

負荷がかかることは減りましたが、かえって職場にいることの不安も同時に抱えることになりました。まるで自分は必要とされていないようかに感じたのです。

発達障害の自分が会社の役にどうたてるか…。

考えた中で「障害者手帳の取得」がありました。

障害について説明をした

2018年4月から法定雇用率が2.0%から2.2%に上昇するので、障害者を採用するために企業が努力しています。

そこで私は「わざわざ探して雇用しなくてもここに一人いるよ」と自ら名乗りをあげようと思ったのです。そのために必要なのが障害者手帳でした。

これは会社での立ち位置を決める決意表明でもありました。障害者として、会社で働く立ち位置がはっきりした瞬間でした。

先生と相談して診断書を書いてもらい、複雑な申請は全て病院が行ってくれました。正直申請するのが大変そう…と身構えていたので、この対応には大変助けられました。

こうして精神障害者保健福祉手帳を無事入手することができました。私は2級でした。

会社にもコピーを提出し、それをきっかけにもっと細かく自分の障害について説明することもでき、何ができて何ができないのかが会社側も分かったのか、今では以前のように仕事を任されるようになりました。

働き続けるために「ストラテラ」を服用

また、発達障害と診断されてADHDの治療薬ストラテラの服用も始めました。

ストラテラは効果がでるのに時間がかかるのですが、効果がで始めてからは脳が覚醒して、できることが多くなります。私は仕事で毎日車を運転するので、ストラテラを飲むことで不注意が減って大変助かりました。ストラテラを飲まないと先延ばし癖などの発達特性がでるので、仕事に支障がでてしまいます。

しかし、飲んだからといって発達特性がすべて治まるのかというとそうではなく、忘れ物癖などは治りませんでした。結局は自分の工夫も必要でした。

ストラテラは高価なお薬ですので、自立支援制度を使わないと生活が苦しくなります。
しかし、ストラテラで自分の持つ聴覚過敏が治ったわけではありませんでした。

障害者手帳は「ずるい」のか?

目的だった会社への提出も済ませ、せっかくだから他のサービスを受けてみたいと思うようになりました。しかし、障害者手帳の使い道がわからずに、とりあえずインターネットで調べてみることにしました。

障害のせいで入るお金が少ない

高速バスや映画館で割引がきいたり、美術館が一部無料になったり、水族館も割引がきいたり、案外使えるところが多いことがわかりました。

私の場合、発達障害の影響で具合の悪さが定期的に起こり、会社を休みがちになるのでお給料にも響きます。

そして、働き続けるためにストラテラを飲むと月の医療費が3万円ほどかかるので、自立支援制度を使っています。それでも毎月1万円ほど自己負担がかかります。生活が逼迫していたのでこういったサービスは本当に嬉しく思いました。

ストラテラだけでなく、聴覚過敏の対策にヘッドフォンを買ったり耳栓を買ったり、お金がとにかくかかります。

障害のせいで出ていくお金が多い

私の発達障害の特性には「聴覚過敏」というものがあります。聴覚過敏とは耳がとにかく過敏で、時に針を刺すかのような痛みさえあります。私のような製造業で勤務していて、常に機械の音が聞こえているような職場ではパニックを起こしたり倒れたりする危険もあります。

そこで私はヘッドフォンをしているのですが、4つを使い分けており、安いもので3千円、高いもので5万円します。これはなぜかというと、作業中は耳栓で済むので安く上がるのですが、事務の仕事中は耳栓はできません。同僚と話しながら仕事をしますし、聴覚を保護しながら人の話を聞く必要があったからです。

そこでノイズキャンセリング・ヘッドフォンにしたのですが、これがなかなかに優れていて、ノイズキャンセリングをしながら、人の声も聞こえやすくする「ボイスモード」という機能がついています。

普通のノイズキャンセリングでは人の声も小さく聞こえるので少し困っていたのでこの機能は助かりました。使っているのはソニーの「MDR-1000X」というヘッドフォンです。高いですが、高いだけあります。発達障害者は入るお金が少なくて、出るお金が大きいのです。

私は我慢していた映画で障害者手帳のサービスを受けることにしました。障害者割引のチケットを買い、障害者手帳を提示するだけでしたので簡単でした。

久しぶりに大好きな映画を、自分で働いて稼いだお金で大きなスクリーンで観ることができて、とてもうれしかったです。

障害者手帳は積極的に使っていい

数日後、私は映画館での話を友人に話しました。すると、友人は私が思ってもみなかったことを口にしたのです。

「なにそれ、ずるい!」

私はびっくりしました。そんなことを言われるなんて、思ってもみなかったからです。障害があることでこれだけ苦労しているのに、障害者手帳のサービスを使うことを「ずるい」といわれたことには本当に驚きました。

障害者手帳を使うことはずるいのか…?

急に障害者手帳を使うことにためらいがでてきました。手帳は持ったまま、しばらくは使うことは無くなってしまいました。しかし、インターネットで堂々と使っている人を見るうちに「やっぱり私も使おう」と感じるようになりました。

後ろめたいことなんてなにもない。
障害者手帳は国が認めた、使ってもいい権利なんだから。

私は主に映画館、障害者割引の利く駐車場で利用させてもらっています。他にも受けられるサービスはありますが、働けているうちはいいかなと思っています。生活に困窮したときなど、また困った時に利用させてもらおうと思っています。

障害者手帳を使うことは恥ずかしいことでもなんでもありません。積極的に利用して、積極的な社会参加をさせてもらいましょう。

詫磨 一紫

詫磨 一紫

温泉の国でドンくさい人生を歩んでいたら、ある日突然「あなたは発達障害だよ」と言われたADHDとASD当事者。温泉の国からのんびり発達障害を語っていきます。

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