働くことへの自信を身につける ~就労移行支援事業所ウェルビー~

凸凹ナビ編集部凸凹ナビ編集部

作成日 2017/10/11 更新日2017/10/23 1,737views

就労移行支援とは、障害のある人が企業での一般就労を目指して訓練を受ける福祉サービスです。
就労移行支援事業所ウェルビーは、生活リズムを整えるための医療機関との連携や、就職活動や就職後の職場定着のサポートが充実している就労移行支援事業所です。
東京・神奈川・埼玉を中心に全国に57箇所のセンターがあります。
ウェルビーの就労移行支援について、桜木町駅前センター主任の後藤さん、スーパーバイザーの永野さん、就労移行支援事業部 就労移行支援部 次長の竹内さんにお話をうかがいました。

ウェルビーの就労移行支援とは

ウェルビー桜木町駅前センターの主任の後藤さん

ウェルビー桜木町駅前センターの主任の後藤さん。

凸ちゃん
ウェルビーの就労移行支援について教えてください!

後藤)こんにちは。ウェルビー桜木町駅前センターの後藤です!

ウェルビーは「障害を生かし自分らしく働く」ことを全力で応援している就労移行支援事業所です。
「自分でお金を稼ぎたい」「誰かに必要とされたい」「社会に参加したい」などの願いをもっている障害のある方に対して、その願いを実現させるために、安定して働き続ける力を身につける訓練をおこなっています。

凸ちゃん
ウェルビーにはどんな人が通っているのですか?

後藤)就労移行支援は18歳から65歳未満の障害のある方に利用していただける福祉サービスです。
ウェルビーには、特別支援学校を卒業したばかりの18歳の方から、長年企業で働いていた60代の方まで、幅広い年齢の人が通っていますよ。
障害の種別は精神障害、発達障害、身体障害、難病、知的障害のある方が利用されています。
障害者手帳を持っていなくても、医師の診断書や自立支援医療を受けている証明があれば利用することができます。

全国に57箇所の事業所がありまして、私が主任をしている桜木町駅前センターは25名が登録しています。
30代の方が比較的多いですね。

凸ちゃん
スタッフはどんな人がいるのですか?

後藤)ウェルビーのスタッフは福祉関係の経験や資格を持っている人と、一般企業で働いてきた経験のある人が半分ずついます。
私は福祉関係の仕事の経験はありませんが、以前は10年ほど飲食店を経営していました。
お客さまを楽しませるために音楽や落語やマジックショーを企画したり、料理教室の先生を呼んだりもしましたよ(笑)。

人を楽しませることを仕事にしてきた経験は、ウェルビーでも役に立っていると思います。
だって、訓練も楽しくないと興味が持てないじゃないですか!
私自身がそうであるように、働くことで自分を「生かす」ために、自分の能力を「活かす」方法を一緒に見つけていきたいと思っています。

医療機関との連携を重視

「就職がゴールではなく、働きつづけることがゴールです」と語る後藤さん

「就職がゴールではなく、働きつづけることがゴールです」と語る後藤さん。

凸ちゃん
カリキュラムの特徴を教えてください。

後藤)主なカリキュラムの内容は「パソコン」「軽作業」「グループワーク」「ビジネスマナー」「企業実践」「就職活動」の6つです。
このカリキュラムを組み合わせて、月曜から金曜日までの週5日、10時から16時まで訓練をおこなっています。
最初は10時ちょうどに来られない方もいますが、朝起きられるように生活リズムを整えて、10時から16時まで週5日間通い続けることを最初の目標にしていただきます。

企業で働くためには、決められた時間にきて、決められた時間までいられることが第一条件です。
どんなに立派な資格やスキルを持っていても、出勤できなければなにも始まりません。
まずは、安定して通所できるようになることを目指していただきます。

凸ちゃん
メンタルクリニックの通院に一緒に行ってくれると聞きました。

後藤)医療との連携はとても重要だと考えていますので、ご本人の許可を得た上で通院に同行しています。
精神障害の方の場合には、朝起きられない原因が生活面にあるのか、薬の影響などの医療面にあるのか、自分でもわかりにくい部分だと思います。

病院で自分の症状を上手く伝えられないという方も多いので、スタッフから見た様子を伝えることで服薬の調整をして、症状が良くなっていった例もあります。
何が原因なのかを一緒に考えていくことで、結果として朝来られるようになることを目指します。

それでも朝起きられないという場合には、時間帯の違う仕事を一緒に探しましょう。
「これができないとダメ」ではなく、できないときには違う道を探せばいいのです!

凸ちゃん
訓練についていけない場合はどうなりますか?

後藤)ひとりひとりの目標を設定して訓練を進めていきますので、心配ありません。
人とのコミュニケーションが苦手な方の場合には、私はまず「ウォーキングに参加しませんか?」と伝えています。
ウォーキングのプログラムは健康のためでもありますが、実は雑談をしやすい時間なんです。
一緒に歩きながら話をすることで、心をほぐされていく方もいます。

挨拶をするのが苦手だという方には「今日の帰りに5人に挨拶をする」という課題を設定しました。
訓練の内容はその人に合わせた課題を設定して、少しずつクリアしていただきます。

「自分を知ること」のきっかけを作る

スーパーバイザーの永野さん

スーパーバイザーの永野さん。

凸ちゃん
訓練期間について教えてください。

永野)訓練は最短で3か月で、最長で2年です。
訓練期間を左右するのは年齢や疾患、障害の受容度、職歴なども関係しますが、一番大きな要素は「自己評価を適正に持つこと」です。
それはつまり、「自分を知ること」だと思います。

自分を知るための方法として「企業実践」というカリキュラムでグループワークをおこなっていただきます。
このカリキュラムは、実際の就業の場を想定して6~8人のグループに分かれて、各グループごとにテーマを決めて作業を行います。
たとえば、月2回の土曜日の発表会にむけて準備をグループでおこなうこともあります。

そのときに、全体をまとめる役を任されたのに、強い意見を言う人がいると自分の意見を言えなくなってしまう人がいました。
求められたことができればいいのですが、できないのであればかわし方を覚える必要があります。

あるいは、お昼休みに同年代とは上手くコミュニケーションができているのに、年下には高圧的になってしまったり、年上に萎縮してしまったりする一面が見えてきた方もいました。
職場では違う年代の人とコミュニケーションをしないと仕事が成立しないので、グループワークを進めていく中で、その人の課題が見えてくることがあります。

こうした訓練では「うまくいかないこと」が大事なんです。
自分の課題を明らかにしていくことも、自分を知るために必要なことです。

面接・実習にスタッフが同行

就労移行支援事業部 就労移行支援部 次長の竹内さん

就労移行支援事業部 就労移行支援部 次長の竹内さん。

凸ちゃん
就職活動をするときに面接にスタッフが同席してくれると聞きました。

竹内)企業側の許可が得られれば面接や実習に同行するようにしています。
支援者がいることで助け舟を出すことができますし、自分のことを知っている人がいると緊張がほぐれて、本来の力が発揮できます。
ひとりで就職活動をする場合には、不採用が続くと精神的にも厳しいですし、次にむけて何を改善すればいいのかがわからないまま、次の面接を受けることになるのではないでしょうか。
スタッフが面接に立ち会っていれば、もしも不採用になったとしても、面接での課題を振り返って模擬面接で練習することができます。

知的障害や発達障害で、自分のことを自分の言葉で話すことが難しい方の場合には、企業の採用担当の方に実習という形にできないかをご相談することもあります。

面接だけだと判断できないので、実習を通して作業スキルやコミュニケーションを見ていただいて、ある程度の配慮事項や「こうすればできる」という方法を企業にお伝えします。
必要であれば推薦状を添えることもあります。

半年後も8割以上が安定就労

新横浜第二センターは新横浜駅から徒歩5分。センター内は開放的で明るい雰囲気です

新横浜第二センターは新横浜駅から徒歩5分。センター内は開放的で明るい雰囲気です。

凸ちゃん
ウェルビーで訓練をすれば就職できますか?

後藤)2012年にウェルビーが開設してから2017年8月までに1,237名の方が就職しています。
2015年は300名。2016年は471名の方がウェルビーでの訓練を経て就職されました。

訓練を受けている方の中には、生活保護や年金受給で暮らしている方もいますし、「自分はだめだ」「いらない人間だ」と否定的な感情を抱えている方もいます。
そういう方にこそ、訓練を通して自信をつけていただきたいです。

例えば、昼夜逆転の生活をしてい人に「まずは生活リズムを整えましょう」と伝えると「仕事が始まれば大丈夫です」という方がいました。
しかし、訓練に通えていないのに仕事だと大丈夫だという根拠がないですよね。
「大丈夫です」に根拠を付けるために、就労移行支援に週5日3か月通い続けているということを示せることは強みになります。
根拠のない自信ではなく、訓練を通して本物の自信を積み重ねて欲しいです。

凸ちゃん
就職後もサポートをしてくれると聞きました。

後藤)就職後も安定して働き続けられるように「職場定着支援」というサポートをおこなっています。
スタッフが職場を訪問をして、ご本人と企業の間に入ってサポートをおこなうサービスです。

例えば、精神障害のある人は訓練をしてスキルや自信を身につけることはできますが、根底にはすごく弱いところがあると思います。
弱い部分がパリンと壊れてしまう前に、ご本人と勤め先の間に入って調整をおこなうこともあります。
企業の側からも、障害のある社員への接し方についてご相談をいただくことも多いです。

通常の就労移行支援では、職場定着支援は長くても3年までですが、ウェルビーの場合には期限を設けずにおこなっています。
3年経ったあとも、部署が変わったり、上司が変わったりすることで不安定になることもあるからです。

ウェルビーで訓練をして就職された方の83%が、就職してから半年後も働き続けることができています。
これは全国の就労移行支援の中でも高い数字ですが、職場への定着率を83%から100%に近づけていくことが企業努力として必要だと考えています。

凸ちゃん
障害のある求職者へのメッセージをお願いします。

後藤)ひとりで悩まないでほしいと思っています。
当面の生活が苦しいために「今すぐ働きたいから、訓練している場合じゃない!」と言う方もいますが、長い目で考えてほしいです。
目先のことに焦って就職をしても、そこで失敗をして転職を繰り返してしまうと、条件はどんどん悪くなってしまうのではないでしょうか。

なにに悩んでいて、どんな夢や希望をもって生きたいのか。
私たちにお話を聞かせてください。
夢を実現したり、望んでいる人生にしていくために何が必要なのかを一緒に考えたいです。

凸凹ナビ編集部のふりかえり

働くことについて、根拠のある自信を身につけることができる場所なのだとわかりました。
自分ひとりでは「できないこと」に埋もれて自信を無くしてしまいますが、スタッフと一緒に「なにが原因なのか?」を考えることで、少しずつ前に進むことができます。
そして、小さな課題をクリアする積み重ねは、根拠のある自信へと繋がります。
働くことに自信をなくしている人は、ひとりで悩まずに、ウェルビーを訪ねてほしいと思いました。

凹ちゃん

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《取材協力》
後藤修治さん(桜木町駅前センター 主任)
竹内恭子さん(就労移行支援事業部 就労移行支援部次長 社会福祉士)
永野周平さん(スーパーバイザー)
※内容は掲載当時の情報です。記載されているサービス名、肩書きなどは現在と異なる場合があります。

《この記事の参考にさせてもらった資料》
ウェルビー株式会社

凸凹ナビ編集部

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