就労移行支援とは? ~対象・料金・利用方法・選び方・Q&A~

凸凹ナビ編集部凸凹ナビ編集部

作成日 2017/09/22 更新日2017/10/24 3,765views

凸ちゃん
今の生活を変えるために就職してお金を稼ぎたいけれど、どうしたらいいだろう?
凹ちゃん
就労移行支援を利用して、企業で働くための訓練や準備をしてみてはどうかな。

就労移行支援は、企業で働くための訓練や支援を受けることができる通所型の福祉サービスです。
仕事をするための知識や能力を身につけたうえで、スタッフのサポートを受けながら就職活動を行うことができます。
さらに、就職後も安定して働き続けるための職場定着支援を受けることもできます。

就労移行支援の対象、利用料金、利用の流れ、事業所の選び方などについてご説明します。

就労移行支援とは

就労移行支援とは、障害者総合支援法に基づく福祉サービスのひとつです。
企業などへの就職を希望している18歳から65歳未満の障害者に対して、働くために必要な知識や能力を身につける訓練をしたり、その人に合った仕事探しのサポートをしたり、就職後の職場定着支援をおこなったりしています。

2017年4月時点で、就労移行支援のサービスを提供している事業所は全国に3,256ヶ所あり、32,611人が企業などで働くことを目指して就労移行支援を利用しています。

就労移行支援の対象

凸ちゃん
働くことで人や社会と繋がりたいと願っている人のための福祉サービスです!

就労移行支援を利用するためには、以下の3つの条件を満たしている必要があります。

  1. 身体障害、知的障害、精神障害、発達障害、難病などがあること
  2. 企業などで働くことを希望していること
  3. 原則として18歳から65歳未満であること

※障害者手帳を持っていない場合にも、医師の診断や自治体の判断で利用できる場合があります。
 主治医や自治体の福祉の窓口に相談しましょう。

2017年12月に厚生労働省が発表した資料によると、就労移行支援を利用している人は「30歳未満」の「精神障害者」の割合が最も多いです。

利用者の障害種別ごとの割合は、身体障害者、知的障害者は減少して、精神障害者が増えています。
すべての利用者のなかで精神障害者が5割以上を占めています。
2016年12月のデータは以下のとおりです。

身体障害者 8.2%
知的障害者 37.2%
精神障害者 54.2%
難病等対象者 0.3%

年齢階層ごとの利用者の割合は、30歳未満が約5割を占めています。
2016年12月のデータは以下のとおりです。

18歳以上20歳未満 12.3%
20歳以上30歳未満 35.5%
30歳以上40歳未満 22.0%
40歳以上50歳未満 19.9%
50歳以上60歳未満 8.2%
60歳以上65歳未満 1.2%

就労移行支援の利用料金

凹ちゃん
福祉サービスなので、利用料の9割を自治体が負担してくれますよ!

就労移行支援の利用料は1割が自己負担で、残りの9割は自治体が負担します。
さらに、世帯所得などに応じて月ごとの負担額が軽減される「負担上限額」が設けられています。

「負担上限額」の区分は4つで、生活保護受給世帯の場合には自己負担は0円です。
市町村民税が非課税の世帯の場合にも自己負担は0円です。
収入がおおむね600万円以下の世帯の場合には、「一般1」に該当するので月ごとの自己負担は9,300円です。
上記以外の収入の場合には「一般2」に該当するので月ごとの自己負担は37,200円です。
ただし、就労移行支援事業所に通うための交通費や昼食代はこの中に含まれません。

生活保護(生活保護受給世帯) 0円
低所得(市町村民税非課税世帯) 0円
一般1(市町村民税課税世帯) 9,300円
一般2(上記以外) 37,200円

就労移行支援の利用の流れ

凸ちゃん
「就労移行支援事業所」と「自治体の福祉の窓口」の両方とやり取りをする必要があります!

就労移行支援を利用するためには、以下の4つの手続きを進める必要があります。
それぞれの手続きの概要を説明します。

①就労移行支援事業所を探す

自分の希望に合う就労移行支援事業所を探して、見学、利用相談、体験利用をします。

②福祉の窓口に行って利用申請をする

住んでいる自治体の福祉の窓口に行って、「就労移行支援の利用をしたい」と伝えて申請を行います。

③認定調査をうける

就労移行支援の利用申請をすると、自治体の職員からの認定調査を受けることになります。
現在の生活状況や働く意欲について、職員からの質問に答えましょう。

④就労移行支援事業所と利用契約をする

就労移行支援の利用が認められた場合には、自治体から「受給者証」が公布されます。
「受給者証」とは、福祉サービスの利用申請が認められたことを証明する重要な書類です。
住所、氏名、生年月日、サービスの種類、その支給量(利用できる日数や時間数)が記載されています。

利用を希望している就労移行支援事業所に「受給者証」を持参して、利用契約を交わすことで、就労移行支援事業所での就労訓練を開始することができます。

就労移行支援事業所の選び方

凸ちゃん
就労移行支援って、どうやって選んだらいいの?

就労移行支援事業所は全国に3,000ヶ所以上あります。
東京・大阪・福岡・北海道は特に多く、それぞれに200ヶ所ほどがあります。
就労移行支援事業所を運営しているのは、社会福祉法人やNPO法人の他に、株式会社などの民間企業もあるので、訓練内容やカリキュラムは多種多様です。

ここでは、自分に合った就労移行支援事業所を選ぶための6つのポイントをお伝えします。

①就労訓練の内容を確認する

就労訓練の内容は事業所ごとにさまざまです。
事務作業やパソコンスキルに特化している事業所もあれば、軽作業やクリーニング業務を学ぶ事業所もあります。
ホームページの確認や、パンフレットや資料を取り寄せて、カリキュラムの内容を確認しましょう。

②就職実績を確認する

就職実績とは、就労移行支援事業所の訓練を受けた利用者が一般企業などに就職していった人数のことです。
訓練を受けて就職していった人数や企業名、職種などを確認しましょう。

③職場定着率を確認する

就職した後に安定して働き続けられる力を身につけられる訓練を行っているかどうかを、定着率を聞いて確認しましょう。

④通いやすさを確認する

就労移行支援は自宅から通所しておこなう就労訓練です。
自分が継続して通い続けられるかどうかを、実際に行ってみて確認しましょう。

⑤見学や体験利用を活用する

就労移行支援は最長で2年間通うことになる訓練機関です。
見学や体験利用の機会を利用して、事業所の様子を確認しましょう。

⑥スタッフと話した実感を確かめる

スタッフと話をして「この人になら相談できそうだ」「ここなら頑張れそうだ」という実感が持てるかどうかは大切なことです。

就労移行支援事業所の良し悪しは、一概に決められるものではありません。
6つのポイントを参考にして、自分に合った就労移行支援事業所を見つけてください。

就労移行支援事業所をさがす

就労移行支援についてのQ&A

就労移行支援について、よくある質問にお答えします。

就労継続支援A型・B型と就労移行支援は何が違うのでしょうか?

どちらも障害者の就労を支援する福祉サービスですが、目的と内容と条件が異なります。
就労継続支援A型・B型は、障害者が作業所などで働くための「福祉的就労」を提供するサービスです。
就労移行支援は、一般企業の障害者雇用枠などで働くための「就労支援」を提供するサービスです。

就労移行支援に通うことは、就職活動でのアピールポイントになりますか?

障害者雇用に積極的な企業ほど、就労移行支援事業所などの支援機関と繋がりがあることを評価する傾向があります。
「就労移行支援事業所に週5日3ヶ月間通うことができました」という実績を示すことができれば、就職活動で有利に働く可能性があります。

就労移行支援以外にも障害者が働くための支援機関はありますか?

就労移行支援以外にも、就労支援センターや障害者就業・生活支援センターなどの相談・支援機関があります。

まとめ

就労移行支援の対象、利用料金、利用の流れ、選び方などについてご説明しました。
自分の望んでいる働き方を実現するために、たくさんの人が就労移行支援を利用しています。

凸ちゃん
就職活動と並行しながら就労移行支援を利用することもできますよ!
凹ちゃん

お仕事探しには、障害や凸凹がある人のための求人情報・転職支援サービス『凸凹ナビ』を使ってみてください。
障害者雇用のお仕事紹介だけでなく、ご希望や特性にあった就労移行支援事業所探しのお手伝いもしています!

就労移行支援事業所をさがす

《補足》
・ここで掲載しているデータや組織名称は2017年9月現在のものです。
・制度の情報は参考資料・サイトに掲載されているものを元にしています。
・より詳細な情報は関係機関に直接お問い合わせください。

《この記事の参考にさせてもらった資料》
・厚生労働省「就労移行支援に係る報酬について≪論点等≫」
・厚生労働省「障害者の就労支援について」
・厚生労働省「障害者の就労支援施策の動向について」

凸凹ナビ編集部

凸凹ナビ編集部

凸凹ナビ(でこぼこなび)は、障害や凸凹がある人向けの求人情報・転職支援サイトです。障害者として働きたい人・障害者を雇いたい人・障害者の就労に関心がある人に向けて、役立つ情報をわかりやすくお届けします!

▼会員登録がまだの方

▼凸凹ナビ会員の方


凸凹ナビとは?

凸凹ナビ(でこぼこなび)は、障害や凸凹がある人のための求人情報・転職支援サービスです。障害者手帳をお持ちの方や取得をご検討中の方を対象に、お仕事探しのお手伝いをいたします。webサイト上でも、ご希望のエリアや職種・業種で求人を絞り込んで検索することができます。まずは凸凹ナビに会員登録(無料)をして、ご希望条件をお知らせください!


凸凹情報室 人気記事

凸凹情報室 新着記事

カテゴリから記事を読む