障害年金とは? ~種類・支給要件・受給額・請求手続き・Q&A~ | 障害者の就労支援・情報サイト【凸凹ナビ】

障害年金とは? ~種類・支給要件・受給額・請求手続き・Q&A~

凸凹ナビ編集部凸凹ナビ編集部

作成日 2017/09/07 更新日2017/12/22 99,518views

凸ちゃん
仕事ができない状態が続いて金銭的に苦しかったから、障害年金がもらえることになって本当に助かったよ!
凹ちゃん
今までは障害年金をもらってなかったの?
凸ちゃん
働いていると障害年金はもらえないと思い込んでいたんだよ。
あと、自分の障害の程度でも対象になることを知らなかったから、もっと早くに手続きをすればよかったなぁ。
行政の人
目や耳や手足などの外部障害だけでなく、精神障害やがんや糖尿病などの内部障害も障害年金の対象です。
障害年金の種類と年金額、支給要件、障害認定基準、請求手続きなどについてご説明します。

障害年金とは

障害年金は、20歳以上の人はみな加入している公的年金制度から支給される年金のひとつです。
病気やケガなどによって障害のある状態になったときに、お金を受け取ることができる制度です。

病気やケガで初めて医師の診療を受けたときに加入している年金の種類と、障害や病気の程度によって受け取ることができる年金額が決まります。

障害者手帳は交通機関の運賃割引などのサービスを受けるための福祉制度ですが、障害年金は経済的支援としての社会保障制度のひとつなので、まったく異なる制度です。

凹ちゃん
障害者手帳も障害年金も「1級」「2級」って言い方をするから間違えやすいけど、障害者手帳が1級だからといって、障害年金が1級になるわけではないんだよね。
行政の人
障害年金のことを考えるときには、障害者手帳のことはいったん忘れてください!

障害年金の種類

障害年金には「障害基礎年金」「障害厚生年金」の2種類があります。
病気やケガで初めて医師の診療を受けたときに加入していた年金の種類によってどちらになるかが決まります。
国民年金に加入していた場合は「障害基礎年金」、厚生年金に加入していた場合は「障害厚生年金」に該当します。

国民年金は学生や主婦や自営業の人などが加入することになっている年金です。
国民年金に加入している間に負った病気やケガについて、障害年金の障害認定基準の「1級」「2級」に定めている障害の状態にあるときは「障害基礎年金」を受給することができます。

>>>障害基礎年金はいくらもらえるの?

厚生年金はサラリーマンや公務員の人などが加入することになっている年金です。
厚生年金に加入している間に負った病気やケガについて、障害年金の障害認定基準の「1級」「2級」「3級」「障害手当金(一時金)」に定めている障害の状態になったときは「障害厚生年金」が受給できます。

>>>障害厚生年金はいくらもらえるの?

障害年金の支給要件

障害年金はだれでも受給できるわけではありません。
①~③の条件のすべてに該当する場合に受給することができます。

①公的年金に加入している間に初診日があること
②障害の状態が「障害認定基準」に定める程度であること
③保険料の未納期間が一定基準を超えていないこと

それぞれの条件の概要について解説をします。

①公的年金に加入している間に初診日があること

障害の原因となった病気やケガについて、初めて医師などの診察を受けた日を「初診日」といい、「初診日」に公的年金に加入していることが支給要件として求められます。
(ただし、20歳前や60歳以上65歳未満で年金制度に加入していない期間に、日本国内に住んでいる間に初診日があるときも含みます。)

同一の病気やケガで病院や医師を変えている場合には、一番はじめに医師などの診療を受けた日が「初診日」となります。

行政の人
障害年金をもらうためには初診日がとても重要です!

②障害の状態が「障害認定基準」に定める程度であること

「障害認定日」に、障害の状態が「障害認定基準」に該当していることが支給要件として求められます。

「障害認定日」とは、障害の程度を定める日のことです。
原則として、その病気やケガの症状が固定したと判断された日か、初診日から1年6ヶ月をすぎた日を指します。

「障害認定基準」とは、障害年金制度において障害の程度を認定する基準のことです。
障害認定基準は国民年金法施行令別表と厚生年金法施行令別表に定められており、その障害の状態の基本は以下の通りです。

1級 身体の機能の障害または長期にわたる安静を必要とする病状によって、日常生活をおくることができない状態。
(他人からの介助を受けなければ、自分の身の回りのことがほとんどできない程度)
2級 身体の機能の障害または長期にわたる安静を必要とする病状によって、 日常生活への著しい制限を受けている状態。
または日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度の状態。
(必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、日常生活は極めて困難な程度)
3級 労働が著しい制限を受けるか、または労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の状態。
障害手当金 傷病は治っているが労働が制限を受ける、または労働に制限を加えることを必要とする程度の状態。

障害年金の対象となる病気やケガは、手足の障害などの外部障害のほかに、精神障害やがん、糖尿病などの内部障害です。
障害の種類ごとに「障害等級認定基準」が設定されています。
主な病気やケガは次のとおりです。

  • 外部障害
    眼、聴覚、肢体(手足など)の障害など
  • 精神障害
    統合失調症、うつ病、認知障害、てんかん、知的障害、発達障害など
  • 内部障害
    呼吸器疾患、心疾患、腎疾患、肝疾患、血液・造血器疾患、糖尿病、がんなど
行政の人
精神疾患や人工透析も障害年金の対象になりますよ!
気になる人は年金事務所や社会保険労務士事務所に問い合わせてください。

③公的年金の保険料の未納期間が一定基準を超えていないこと

障害年金を受給するためには、加入している公的年金の保険料が一定期間納付されている必要があります。

原則として、初診日がある月の前々月までの被保険者期間のうち、年金保険料納付期間と保険料免除期間を合わせた期間が3分の2以上であることが求められます。
ただし、3分の2の要件に当てはまらない場合には、特例として直近1年間の納付状況を参照することもできます。

障害基礎年金の金額

国民年金に加入している場合の障害基礎年金の年額は、1級が974,125円2級が779,300円の定額です。(2017年4月時点)
子どもがいる場合には、これに加えて「子の加算」があります。

障害基礎年金1級の受給額 974,125円(2級の1.25倍)+子の加算
障害基礎年金2級の受給額 779,300円+子の加算

「子の加算」とは、第1子と2子に対して各224,300円が加算され、第3子以降には各74,800円が加算されることです。
ただし、「子」とは18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子と、20歳未満の障害のある子に限られます。

凹ちゃん
僕は障害基礎年金の1級です。 結婚をしていないし子どももいないから、ひと月に81,000円くらいをもらっているよ。
今よりも障害が軽くて2級だったときは、ひと月に65,000円くらいをもらっていました。

障害厚生年金の金額

厚生年金に加入している場合の障害厚生年金の年額は、報酬比例(働いていたときの給与の額によって計算される)のため、人によって異なります。
1級または2級の障害厚生年金を受ける場合には、障害基礎年金もあわせて支給されます。
3級は障害基礎年金は支給されません。

参考までに、厚生労働省の『厚生年金保険・国民年金事業年報(平成27年度)』によれば、障害厚生年金の平均受給額(年額)は1級で約1,860,000円、2級で約1,404,000円、3級で約672,000円です。

また、65歳未満の配偶者がいる場合には配偶者加給年金が224,300円が加算されます。(2017年4月時点)
3級の障害厚生年金には配偶者加給年金は加算されません。

障害厚生年金1級の受給額 障害基礎年金+報酬比例の年金額×1.25+配偶者の加給年金額224,300円
障害厚生年金2級の受給額 障害基礎年金+報酬比例の年金額+配偶者の加給年金額224,300円
障害厚生年金3級の受給額 報酬比例の年金額
※最低保障額 584,500円

初診日から5年以内に病気やケガが治り、障害厚生年金3級を受けるよりも軽い障害が残ったときには障害手当金(一時金)が支給されます。
障害手当金は他の年金とは異なり、継続的に受け取ることができるものではありません。
一時金として報酬比例の年金額の2倍が支給されます。

障害手当金 報酬比例の年金額×2
凸ちゃん
私の場合には、長年サラリーマンとして企業に勤めて、その後に障害を負ったので障害厚生年金の1級です。
障害基礎年金とあわせて、ひと月に160,000円くらいの障害年金をもらっています。

障害年金の請求手続き

障害年金を受け取るためには、自宅の近くの年金事務所または役所の国民年金課などに相談をしたうえで、年金の請求手続きを行います。

手続きの流れは以下の通りです。

①年金事務所や役所に相談
  • 事前に初診日を確認する
  • 保険料の納付要件を満たしているかを確認する
  • 「年金請求書」などの必要な書類を受け取る
②必要書類などの準備
  • 年金請求書
  • 戸籍謄本、戸籍抄本、戸籍の記載事項証明、住民票、住民票の記載事項証明書のいずれか
  • 医師の診断書(所定の様式あり)
  • 受診状況等証明書
  • 病歴・就労状況等申立書・受取先金融機関の通帳など(本人名義)・印鑑
  • 受取先金融機関の通帳など(本人名義)
  • 印鑑
③書類の提出
  • 年金事務所や役所に提出

【支給される場合】

約3ヶ月後に「年金証書」「年金決定通知書」「年金を受給される皆様へ(パンフレット)」が自宅に届き、年金請求時に指定した口座に偶数月ごとに障害年金が振り込まれる。

【支給されない場合】

日本年金機構から不支給決定通知書が自宅に届く。

凸ちゃん
わからないことは家の近くの年金事務所や年金相談センターに連絡してください!
「ねんきんダイヤル」という電話相談窓口もあります。

障害年金についてのQ&A

障害年金の請求手続きにはいくらかかりますか?

請求手続きに費用はかかりませんが、医師の診断書や必要書類を揃えるための費用がかかります。

いくつかの病院を転院したので「初診日」がわかりません。

障害年金の請求において「初診日」の確定は大変重要です。
医療機関や社会保険労務士に相談するなどして、初診日を明らかにしましょう。

障害年金をもらえる障害の程度かどうかを確認する方法はありますか?

障害認定基準に該当するかどうかは、日本年金機構の「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」を確認してください。
または障害年金の請求について知識のある社会保険労務士に相談しましょう。

働いていても障害年金をもらうことはできますか?

働きながら障害年金をもらうことは可能です。
ただし、20歳前に傷病を負った人の障害基礎年金については、本人が保険料を納付していないことから、所得制限が設けられています。

障害者手帳を持っているので、障害年金も受給できますか?

障害者手帳と障害年金は別の制度なので「障害者手帳を持っているから障害年金ももらえる」というものではありません。
障害年金は経済的支援としての金銭給付を行う社会保障制度のひとつです。
障害者手帳は交通機関の運賃割引などのサービス給付を行う福祉制度のひとつです。

障害者手帳と障害年金以外に受けられるサービスはありますか?

通院による精神医療を続ける必要がある人に対して、通院医療費の自己負担を軽減するための公費負担医療制度の「自立支援医療制度」があります。
医療費の自己負担額を3割から1割に軽減してくれたり、負担する金額が多すぎる場合に公費で補ってくれたりします。
他にもさまざまな支援制度やサービスがあるので、自治体の福祉の窓口に問い合わせてください。

まとめ

障害年金について、障害年金の種類と年金額、支給要件、障害認定基準、請求手続きなどについてご説明しました。
障害年金を受給することで安心して治療を受けたり、生活を立て直したり、仕事を続けたりすることができます。

凸ちゃん
障害年金をもらいながら働くって方法もあったんだね。
もっと早く教えてほしかったよ。
凹ちゃん

自分に合った働き方を見つけて長く働き続けるためには、就労移行支援事業所で働く準備をすることも大切です。
『凸凹ナビ』では、所在地や特化している障害、特徴やカリキュラムから、自分にぴったりの就労移行支援事業所を探してお問い合わせをすることができます!

就労移行支援事業所をさがす

《補足》
・ここで掲載しているデータや組織名称は2017年9月現在のものです。
・制度の情報は参考資料・サイトに掲載されているものを元にしています。
・より詳細な情報は関係機関に直接お問い合わせください。

《この記事の参考にさせてもらった資料》
日本年金機構
厚生労働省(2015)「7.厚生年金保険(第1号)年金給付状況 (受給者)(5)年度末現在 受給者平均年金月額」「厚生年金保険・国民年金事業年報(平成27年度)」

凸凹ナビ編集部

凸凹ナビ編集部

凸凹ナビ(でこぼこなび)は、障害や凸凹がある人のための就労支援・情報サイトです。障害者の生活や就労に関するお役立ち情報を、わかりやすくお届けします!

▼会員登録がまだの方

▼凸凹ナビ会員の方


凸凹ナビとは?

凸凹ナビ(でこぼこなび)は、障害や凸凹がある人のための就労支援・情報サイトです。
所在地や特化している障害、特徴やカリキュラムから、自分にぴったりの就労移行支援事業所を探してお問い合わせをすることができます!
また、障害者手帳をお持ちの方や取得をご検討中の方を対象に、就労や生活に関する情報を発信中です。

凸凹情報室 人気記事

凸凹情報室 新着記事

カテゴリから記事を読む