一歩を踏み出した先がワタミなら嬉しい ~ワタミグループの障害者雇用~

凸凹ナビ編集部凸凹ナビ編集部

作成日 2017/07/27 更新日2017/09/05 1,304views

仕事に悩んだり、困ったときに相談できる人はいますか?
ワタミグループでは障害のある社員のための相談窓口を設置するなど、長く働き続けられる職場づくりに取り組んできたことで、法定雇用率を上回る高い雇用率を実現しています。
「地道な対応を積み重ねてきた結果です」と語るワタミグループの障害者雇用について、ワタミ株式会社の人事部の池谷さん、吉田さん、社長室広報部の杉山さんにお話を聞きました。

ワタミグループの障害者雇用について

人事部 担当課長として障害者雇用を担当する池谷さん

人事部 担当課長として障害者雇用を担当する池谷さん。

ーーワタミグループの障害者雇用について教えてください。

池谷)私たちは、人として、社会の一員としての責任を課して事業活動を営む一方で、できるかぎり社会貢献活動に取り組んでいくことが大切だと考えています。
ワタミグループは「できることからコツコツと一歩ずつ」を基本に、創業時より社会貢献活動に取り組んできた企業です。

ワタミグループで働くすべての人が、社会の一員として世の中に貢献して、やりがいをもって仕事に取り組める環境をつくることが事業活動として大切だと考えています。
障害者雇用に対する考え方も同様に、障害の有無を超えて、ともに働く仲間として学び合い、ともに成長することを目標に障害者雇用を推進しています。

杉山)私は昨年まで障害者雇用を担当していました。
私が入社した16年前には、障害のある人はパートタイムの方が2名いるだけでした。
2005年に人事部内に障害者雇用担当ができて、本格的に取り組むようになりました。
2012年に私が障害者雇用の担当になったときに、ワタミグループ全体で障害者雇用の推進に本格的に取り組み始めました。

池谷)現在(2017年7月)、障害者の雇用率は4.06%で、250名の障害のある方がワタミグループで働いています。
障害種別ごとの割合は身体障害が2割、知的障害が5割、精神障害が3割です。

仕事内容としては外食店舗と食品製造が中心です。
外食店舗では清掃、仕込み、調理、食器洗浄を担っており、食品製造工場では製造、荷受け、事務補助などの業務を担っています。

採用基準は「一緒に働きたいかどうか」

人事部で障害者雇用を担当する吉田さん

人事部で障害者雇用を担当する吉田さん。吉田さんは先天性の視覚障害があります。

ーー採用について教えてください。

吉田)ワタミグループでは障害のある方に働いていただくために、新卒採用と中途採用の両方を行っています。

採用方法は3つあります。
ひとつめは、ハローワークを含む就労支援機関を通じた応募からの採用です。
専用の履歴書を記入して応募いただいたうえで、面接と実習を行います。
2つめは、特別支援学校の生徒さん(高校3年生)からの採用です。
特別支援学校の高等部3年の生徒さんの職場実習を春と秋に受け入れています。
3つめは、東京都仕事財団などを通じた職業訓練や職場実習からの採用です。

面接や実習を通して、その方がワタミでどんなふうに活躍できるかを検討したうえで、店舗の受け入れ責任者が採用の可否を判断しています。
最終的な判断基準は「一緒に働きたいかどうか」です。

現在はパートまたはアルバイト雇用が中心ですが、将来的には正社員になっていただけるような仕組みを作ろうと取り組んでいます。

ーー法定雇用率4%というのは、極めて高い割合で障害者を雇用していますね。

池谷)現在、ワタミグループが高い雇用率を実現している理由は、雇用人数や法定雇用率といった数字を追いかけるだけではなく、雇用した人が定着しているからではないかと思います。

いくつかの取り組みを行ったのですが、たとえば、障害のあるスタッフを受け入れる店舗の店長やスタッフに向けたツールを整えました。
「障害者雇用のマニュアル」「障害者雇用のハンドブック」などを用意することで、疑問や不安があったときに調べることができる体制を作りました。

あとは、入社した障害のあるメンバーに対して、電話と訪問で定期的に話す機会を作っているのと、仕事についての相談窓口として吉田が対応しています。
吉田は250名のひとりひとりの特徴を覚えていますし、相談を受けたときの対応もわかっています。
そういう地道な対応の積み重ねが、長く働き続けてもらうことに繋がっているのだと理解しています。

障害のあるメンバーの交流会

吉田さんと池谷さん

交流会をはじめたきっかけについて「だって、みんなと飲みたいじゃないですか!」と話す吉田さん(左)

ーー他に、仕事を長く続けてもらうための工夫はありますか?

吉田)障害のある店舗メンバーを中心に、東京と大阪で交流会や勉強会をおこなっています。
人事部としての相談対応では解決できないこともあるので、メンバー同士で話し合ってもらいます。

池谷)交流会は評判がいいですね。交流会をとても楽しみにしてくれているようです。
コミュニケーションが苦手だというひともいるかもしれませんが、苦手だということもコミュニケーションをとらないとわかりませんよね。

吉田)交流会は2015年からはじめました。業務ではなく「みんなと飲みたいから忘年会をやろう!」と呼びかけて、集まったメンバーで開催しました。
すると「次はいつ?」「またやりたい」など、思った以上の反響があったので、今は3ヶ月ごとに定期的にやっています。

6月は感謝祭&懇親会、9月は座談会&懇親会、12月は忘年会、3月は座談会&懇親会です。

首都圏の5箇所で、メンバーがのべ70~80人集まります。
支援者の方も参加していただくこともあるので、のべ100人ほどが参加している集まりになりました。

交流会の様子

交流会は関東と関西で、年4回ずつ開催しています。会場はもちろん「和民」です。

ーー交流会ではどのようなことを話すのでしょうか?

池谷)交流会の前には勉強会のような時間を設けています。
たとえば、有給休暇の取り方や仕事を休むときの連絡方法など、勤めるうえで知っておくべきことを伝えています。

交流会ではクイズを出したり、イントロドン!のようなゲームをしたりして、勝ち抜いた人はデザートがもらえます。
交流会の最後には、参加したメンバーに対して、勤め先の店長にあらかじめ書いてもらった感謝のメッセージカードを渡しています。

吉田)そのカードをアルバムに入れて、カードを増やしていくことで思い出を増やしています。

池谷)少し前に吉田が慶応大学で講演をしたときに、興味をもった学生さんが交流会に参加してくれました。
そのときに、メンバーがすごく大事そうにアルバムを持っていて、学生さんに嬉しそうに見せていました。
「やってよかった」と思った瞬間でしたね。

ーー交流会はどこで開催しているのでしょうか?

吉田)もちろん和民です!東京では新宿や三田や町田で開催しています。大阪だと茶屋町ですね。
今のところ東京と大阪でしか開催できていませんので、いずれは範囲を広げていきたいと思っています。

池谷)障害のあるメンバーがひとりしかいない店舗もあるので、横の繋がりを作れる機会を楽しみにして来てくれているようです。

吉田)この交流会に参加するまでは、自分のお金で飲んだり、職場で飲み会をするという経験がなかった人もいます。
そういう人が「自分のお金で飲むっていいですね。美味しいですね。」と、純粋な感想を言ってくれると、やってよかったと思いますね。

一歩を踏み出した先が、ワタミなら嬉しい

ーー障害者雇用に取り組む中での気づきと、今後の展望を聞かせてください。

杉山)障害者雇用を進めていくには行政機関や支援者の方々との連携が重要ということを学びました。
本人(障害のある方)を中心にして、ハローワークさん、特別支援学校の先生方、支援機関の方などとの連携を密に取り、4者で協力して働きやすい場を整えたり、課題を解決していくことの大切さを痛感しています。

池谷)私は障害者雇用の担当になって、仕事内容がものすごくおもしろいと思っています。
今まで採用担当や研修担当をやったこともありますが、その経験がすべて活かせています。
今後の展望は、雇用形態を多角的に進めていくことです。
それで幸せになる障害者がいるなら進めていきたい。

今は吉田に頼りすぎている面がありますが、障害のあるメンバーひとりひとりへのアプローチを大切にしたいです。
おそらく、この部分は効率化してはいけないところだと思っています。

吉田)私は法定雇用率の達成や企業の社会的責任を果すための障害者雇用というだけではなく、障害の有無に関係なく、働きたいと思う人がイキイキと働ける社会を実現したいと考えています。

働きたいという思いのある人をひとりでも多く雇用していきたいですし、「お金を稼ぎたい」「社会の役に立ちたい」など、社会で活動したい人には勇気を出して踏み出してほしい。
そして、一歩を踏み出した先がワタミなら嬉しいなと思います。

凸凹ナビ編集部のふりかえり

交流会を始めたきっかけについて「みんなと飲みたいから」だと吉田さんがおっしゃったのを聞いて、一緒にお酒を飲みたい同僚と出会える職場は魅力的だと思いました。
雇用率の高さが意味しているのは、「ここで働き続けたい」と感じる職場だということではないでしょうか。
数字を追いかけるだけではなく、ひとりひとりと向き合ってきた積み重ねを感じる取材でした。

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《取材協力》
池谷豊さん(人事部 担当課長 第一種衛生管理者)
吉田良二さん(人事部 障害者雇用担当)
杉山康之さん(社長室広報部 課長)
※内容は掲載当時の情報です。記載されているサービス名、肩書などは現在と異なる場合があります。

《参考資料・関連情報》
・ワタミ株式会社「ワタミグループ障がい者雇用のご案内」
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