成人発達障害者が知能検査(WAIS-Ⅲ)を受けた体験談

宇樹 義子宇樹 義子

作成日 2017/04/06 更新日2017/09/05 9,238views

発達障害の疑いがあるとき、発達障害の診断を受けたときなどに、知能検査を勧められる場合があります。
成人の場合はWAISというものを受けることが多いです。
今回は、成人発達障害者である私がWAIS-Ⅲを受けたときの体験についてお話します。

知能検査(WAIS-Ⅲ)を勧められた

知能検査(WAIS-Ⅲ)を勧められた

私は30歳を過ぎて発達障害の診断を受けたのですが、診断を受けたすぐあと、発達障害者支援センターで支援を受けるようになりました。

そこで「自分の傾向がよくわかるようになります」と知能検査を受けるように勧められました。

私が勧められたのはWAIS-Ⅲというもので、有名なウェクスラー式知能検査のうち成人向けのものです。

WAIS-Ⅲ検査当日

WAIS-Ⅲ検査当日

センターはいつも混んでいるため、受検日までは確か1ヶ月ほど待つことになりました。

予約日にセンターを訪れ、受検しました。
病院で保険適用の場合1,000円強、自費の場合最大2万円ぐらいかかる検査のようですが、私の場合は無料でした。
発達障害者支援センターは、支援対象者はすべて無料で利用できるからです。

女性の支援スタッフ(確か心理士さん)が検査者をしてくれました。
たっぷり2〜3時間かかったように覚えています。

WAIS-Ⅲ検査を受けて感じたこと

WAIS-Ⅲ検査を受けて感じたこと

興味深かったこと

検査者の人が、自分の手元が見えないように小さなついたてのようなもので隠していて、なるほどと思いました。
検査者の書いている内容がチラッとでも見えてしまうと、自分の答えが正解か不正解かなどが推測できてしまう危険があるからだと思います。

何か質問したときなども、検査結果に影響しないようにとても慎重に答えてくれていたのがわかって面白かったです。
さすがに歴史のある知能検査だけあって(70年以上の歴史があるそう)、検査としてよく作り込まれているんだなと思いました。

つらかったこと

検査した部屋が暖房が効きすぎていて暑くて、途中から頭がぼーっとしてしまいました。
発達障害者によくあることのようですが、私は寒暖の差への対応が苦手で、特に暑いとすぐにのぼせてしまって頭が働かなくなるのです。

検査時間が長いのに途中で休憩を挟むわけでもなかったので、暑かったのもあって頭がかなり疲れてしまいました。
本来の能力よりも低いパフォーマンスしか出せなかったかもしれません。

あとで知ったこと

あとでほかの心理士さんに聞いたのですが、暑いとかいったことは我慢せずに言ってもいいようです。
実はそういったちょっとした困り事などについても適切にコミュニケーションがとれるかなども多少は見ている場合があるとのこと。

それから、私と前後して診断を受けた知人は心療内科で何回かに分けて受検していました。
検査中に頭が疲れるとパフォーマンスが低下するので、何回かに分けて受検させるところも多いようです。

WAIS-Ⅲの検査結果に激しく納得

undefined検査結果のシートを見せてもらうと、能力が分野ごとにみごとにギザギザになっていました。
シートを見ながら
「このギザギザ、本人の中での能力の凸凹の大きさがまさに発達障害の特徴です」
と言われて、なるほどーっ! と思いました。

定型発達の場合、IQ100前後であまり大きなギザギザがない結果になることが多く、知的障害の場合はIQが低めのところであまりギザギザがない結果になることが多いとのこと。

女性支援者
宇樹さんの場合、言語性(IQ)が高く知識も豊富ですが、動作性(IQ)が低い傾向にあります。
ここから言えることは、論理的で頭がよいけれど、突発的なことへの対応は苦手ということですかね。
ひとことでいうと、頭でっかちになりがちということです

※検査を受けたのは5年ぐらい前のことですが、現在では言語性・動作性という分け方をするのは最新の考え方ではない様子です。

頭がちぎれそうなほどうなずく私。

宇樹 義子
いやー、昔からそうだそうだとは思ってたし、診断を受けていろいろ自覚はしたけど、そうはいっても自分が大げさだったり堪え性とか努力が足りない面もあるんじゃないかと思ってました!
でもこれだけ鮮やかに数値で見せられてしまうと、これは本来の自分が確かにこうなんだと納得してしまいますね!

あと言われたのはこんなこと。

  • 全体像を見せられたうえで論理・ストーリーの前後関係を並べるのがものすごく得意

私は、集めた多くの情報をざっと見渡したうえで、論理的に過不足なく並べ替えて読みやすくわかりやすい文章にまとめるのがやたら得意です。
そういったところと関わっているのかもしれないと思いました。

  • どこに着目していいのか明確に指し示されない情報については認識が難しい様子なので、後者については仕事などの面で支援が必要かもしれない

私は「(自分にとって)論理的つながりのないもの」を理解したり覚えたりするのがすごく苦手です。
理由の説明なしに「これとこれをやって」という指示をされるとすごく苦痛だしパフォーマンスもうまく上げられませんが、「こういう理由でこれこれが必要だからこうやって」と指示されれば、楽にうまくこなすことができるのです。
そのあたりのことが関わっているのかもしれないと思いました。

「自分の取扱説明書」を手に入れて

「自分の取扱説明書」を手に入れて

知能検査は精神科や心療内科、発達障害者支援センター、カウンセリング機関などで受けることができるので、自分の傾向がわからず戸惑っている人にはぜひ受けてみてほしいです。

なんとなく気のせいとか努力不足なのではないかと思っていたところの得手不得手が数字になってはっきり出てくるので、私の場合は「自分はこんなに困っていたのだ」「困ってると堂々と言っていいんだ」と納得できてとても楽になりました。

検査結果や、検査のあとに検査者から言われたことは、人に自分の傾向を説明するときのとてもよい材料になることがあります。
「自分の取扱説明書」が手に入るような感じです。

みなさんが自分の特性を把握して、少しでも楽に暮らしていけるようになりますように!

宇樹 義子

宇樹 義子

成人発達障害者(高機能自閉症)。30過ぎまで発達障害が発覚しなかったこともあり、思春期から20年ほどもろもろの二次障害に苦しみました。自身の経験をもとに、発達障害者や悩みを抱えた人に向けていろいろと発信中。ライターの仕事のかたわら、個人ブログ「decinormal」を運営。動物が大好き!

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